昼休み、何気に大連でスキーは出来るのかと同僚に尋ねてみた。同僚曰く「雨が少ないため雪もほとんど降らない。ただ、もう少し北部に行けば出来る場所もある。」とのこと。確かに大連では日本に比べてほとんど雨が降らない。しかし、それにしては毎日のごとく散水車で芝生に水を撒いたり、トイレの水は日本のよう処理水でなかったりと、水不足をまったく考えていないかのように思える。そこで再度同僚に、中国は水不足とは無関係なのかと尋ねてみた。そうするとgyawaが今まで知らなかった事実が判明した。
確かに水不足にはなるということだが、中国では国家プロジェクトにより渇水対策を行っている最中だという。「南水北调(nan2shui3bei3diao4)」いう国家プロジェクトは、その名の通り南の水を北で調達するという内容だ。長江流域の水を西、中央、東の3水路を通じて中国北部に送り、2010年までには北京への水輸送開始を目指しているとのこと。南の洪水を抑えて北の水不足を補う。これだけ聞けば確かに素晴らしい。しかし物事はそんなに簡単ではないようだ。
まず、西水路についてはトンネル掘削が非常に困難。中水路については工事途中の水量調整が難しく、長江の流量に与える影響が大きすぎる。東水路については地形上ポンプアップが必要となり、なにより水質が非常に悪い。特に東水路の水質については汚水とまで言われて、プロジェクト失敗論の主な主張となっているようだ。
ただ、プロジェクトがうまくいくかは別として「水が無ければ川作れ!」という発想は、まさに中国的でありおもしろい。日本人であればきっと「水が無いので節約しなければ…」という発想になるのではないだろうか?