日本本社の社長が昨日から大連入りしており、本日は朝の朝礼から視察されることとなった。ところで、中国には朝礼という習慣がない。そのため「日本ではどこの企業でも朝礼があるのか?」という質問をされることが少なくない。また、中国では仕事をしておけば他は関係ないと考える人が一般的である。そのため朝礼が(お偉いさん達へのパフォーマンスとして)大事であることが理解できず、日本側の心証がなかなか良くならない原因の1つとなっている。
そういう事情もあったため今回はなんとかしようと思い、先週から仕事の合間をぬって朝礼の練習を続けていた。日本でも技術屋さんは技術のみきちんとやっておけばという考え方があると思う。しかし、はっきりいって技術を理解できるお偉いさんはあまりいないのではないだろうか。結局、評価される部分というのは、朝の朝礼、オフィスが清潔さ、挨拶、などという直接技術と関係ない部分になってしまう。しかし、このようなことを中国で徹底させるのは日本以上に困難を極める。
そこで朝礼の練習と並行して、各プロジェクトのリーダ一人一人に技術以外にも大切なことがあることを説得してまわった。「あなたがいくら技術に優れていたとしても、あなたが挨拶できなかったり、自席周りが汚れているだけで社長はあなたを評価しないでしょう。それは社長には技術のことは分からないので、そこしか評価しようが無いからなのです。あなたが社長の立場でも同じではありませんか?」と。(この話の効果はてきめんだった。一旦理解ができれば彼らの行動は早い)
苦労の甲斐あって社長は大満足のうちに大連を後にした。これで日本側の雑音も少しは抑えられることだろう。今回の一件によって、技術一辺倒ではいけないことが彼ら中国人技術者にも理解してもらえたと思う。ただ、できれば視察は年1、2回にしてほしいところだ。裏方はなにかと気苦労が絶えないので。。